宮崎 東明 漢詩集 その1
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意解 恩というものは、その代償をもらう為に人に施すのではなく 自分は施すことだけを喜びとすべきであると思うし又、そうし なければならない、また徳というものは、売名の為ではなく 常に、表面に表すように仕向けて得るものではない、だから 常々謙譲の美徳を忘れてはならない、人は常に一歩譲る事が 大切である、そして誠実を伴わない心持での行為や、人と事を かまえて争うよなことは避けるべきである。 |
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字解 恩(おん)= めぐみ・いつくしみ 覓(もと)む=さがしもとめる・ことさらに欲しがる 徳(とく)=品性 求(もと)む=ないものを無理してほしがる。要求 謙譲(けんじょう)=へりくだりゆずる、謙虚に同じ、己を空しうしてわだかまりのないこと 妄信(もうしん)=不誠実な心、でたらめな気持 争心(そうしん)=争いごとを起そうという気持 |
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備考 この詩の構造は、平起こり七言絶句の形であって、下平声12侵の韻のうち、 陰・心の字が用いられている |
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作者略伝 宮崎 東明 明治22年(1889)3月河内国(大阪)四条畷野崎の素封家に
生まれ、幼にして小楠公の忠孝両全の感化をうく。 |