宮崎 東明 漢詩集 その2

意解

他人と争いごとが起こると、その原因を相手になすりつけ、自分の方が正しいのだとするのが常であるが、これは相手ではなく、むしろ自分の方に非があると考え、その原因は自分から出ているということを先ず知らなければならない、各自それぞれがよく我身をかえりみて、事の真実を悟ることが大切である。
そうすれば世界の争いごとなど起こることもない。
相手だけが悪いのではない、その非は自分達にもあることをよく考えなければならないとさとされた詩である。

字解
事=事件 ここでは争いごとの意
源=原因 そのもと
人=相手方 他人
反省=我身をふりかえりみる
真実=正しいこと
因=かかわり 原因となるわだかまり
須=下に続く字を強める語 強調の字
備考

この詩の構造は仄起こりの七言絶句の形であって上平声十一真の韻のうち、人、 身・因の字が用いられている。