宮崎 東明 漢詩集 その8
百尺もあるかのような松が天高く枝をひろげて聳えたち根は丁度龍の眠ってわだかまっているようである。 時として笛や琴の音のように吹いてくる清らかな風のうちに、春夏秋冬青々として、何時までも変わらず節操のかたいことを思わせている。
松は常緑の針葉樹で竹、梅と共に寒に堪える故に歳寒の三友といわれまた、長寿で色を変えないことから節操、 長寿のたとえに用いられている。 詩の構造は仄起こり七言絶句の形であって、下平声一先韻の天、眠、堅の字が使われている。