宮崎 東明 漢詩集 その9

意解

青々としてすくすく伸びる竹の林、その静かなたたずまいの中に吹く風は幹をならし、不規則な琴の音のような音をたてている。
竹は昔から貞節の堅いたとえに用いられ、人に愛されさらに腹中何物もない清らかな君子の心にも比して敬愛されている。

字解
翠幹青枝=青々とした幹や枝
戛玉=玉を軽くうつ
不調琴=調律の調わない琴の音
虚中=空腹をいう 腹中何もないこと
備考

竹は松、梅と共に三君子といわれ、目出度い物とされている。
詩の構造は仄起こり七言絶句の形であって、下平声十二侵韻の林、琴、心の字が使われている。